事務局からのお知らせ
『FOUJITA』の御礼と、小栗康平新著「じっとしている唄」の上梓
2015/11/19
去る11月14日、おかげさまで『FOUJITA』は無事に初日を迎えることが出来ました。
一回目から満席が続いて好調な出だしとなり、平日も依然として多くのお客様たちにご来場いただいておりますこと、心より御礼申し上げます。
『FOUJITA』がこの先も長く、いろいろな方々に見ていただけるように、お声掛けいただけましたら幸いです。
また、小栗康平監督の新著が上梓されますので、お知らせ致します。
タイトルは、「じっとしている唄」(白水社)。
「時間をほどく」(朝日新聞社)以来となる本書は、小栗監督が東日本大震災を経て新作『FOUJITA』に至るまで、映像表現の可能性を探り続けた10年の思索をまとめたものです。ぜひご一読ください。
「じっとしている唄」
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陶芸家の河井寛次郎が書いた『六十年前の今』という本に次のような一節がある。 形はじっとしてゐる唄、 河井が言う「形」とは、形をともなって「在る」ことを見せているいっさいの事物、ものそのもの、のことだろう。だから形あるものはすべからくその本然として「唄」を持っている、そう言っているように私には思える。(中略)
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陶芸家の河井寛次郎が書いた『六十年前の今』という本に次のような一節がある。
形はじっとしてゐる唄、
飛んでいながらじっとしてゐる鳥、
河井が言う「形」とは、形をともなって「在る」ことを見せているいっさいの事物、ものそのもの、のことだろう。だから形あるものはすべからくその本然として「唄」を持っている、そう言っているように私には思える。(中略)
映画の「場」は虚構として設定されるものだけれど、「形」あるものの「じっとしている唄」を聴くためには「もの」がそもそもどこにあったかを考え、探っていかなくてはならない。
(本文より)
- 単行本:
- 四六判、256ページ
- 定価:
- 2100円(税別)
- 発売日:
- 2015年11月26日
- 出版社:
- 白水社
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小栗康平著
「じっとしている唄」